サックス 純正律と平均律 sax

サックス コラム

27. 純正律と平均律(1)

まえがき

「もしあなたが友人を失いたくなかったら、
その友達の家族、宗教、政治、又は
音程について批判してはいけません。」

サクソフォン演奏技法(P.61より引用)
著者:ラリー・ティール

この言葉は、私も普段から意識していて。
特に音程は、なかなか踏み込みづらい領域ではあるのですが。
私なりの考え方を 示す必要があると思い、文章にまとめました。

賛否両論あると思いますし。
詰めの甘い箇所があるかも知れませんが。
ご参考程度に、お考え下さい。


純正律と平均律 について(1)

純正律の響きは、確かに唸りがありませんし。
差音の効果で、通常よりも低い音が鳴る為
構成する和音と一致すれば、より迫力のある響きが得られます。

吹奏楽で、指導される場合、
下記の様な数値を用いる事が多いと思います。

純正律の修正値


ですが、
純正律を使うには、一定条件を満たす必要があります。
その事を理解せずに、吹奏楽や合唱等で指導される事は
かえって混乱を招く為、好ましくないと考えています。

純正律は、
・曲の主調のみで、転調しない曲。
・3和音を中心とする音楽(属和音を除く)
に有効な調律です。

バロックよりも古い、
ルネサンス期以前の音楽を演奏する時でしたら
透明感のある、非常に美しい響きになると思います。

しかし、
転調や4和音 …等 が頻繁に用いられる
バロック時代 以降の曲では、
音のうなりは無くなりませんので。
あまり意味がありませんし。

古典派 以降は、中全音律(ミーントーン)や、平均律で
演奏される事を前提に、曲を書いていますので。
作曲家の意図に沿った演奏と言う点でも、疑問に感じます。

「転調ごと」に基準音を 変化さたり
「コード毎」に基準音を 変化させる方法もある様ですが。
(ジャズで言う、ハードバップの、
 コードチェンジに近い感覚でしょうか?)

一時的には、美しい響きかも知れませんが。
「調性」同士の相関関係のつじつまが合いませんので。
大きな流れ(和声)として捉えた場合には、矛盾を生じます。

私は、そう言った事を美しいとは思えないのです。


[結論]

基本的には、平均律で構わないと思います。(約9割)
ユニゾンを徹底的に磨いて下さい。
自ずと、美しい響きに到達すると考えます。

純正律の響きを使う場合は、
曲の終止や、美しくキメたい箇所で
要所要所で用いる事をお薦め致します。(約1割)


追記1:
差音の効果が最もよく現れるのは、
高音域同士の楽器で、ハーモニーを行う場合です。
低音域同士は、あまり効果を感じられません。(聴覚の 可聴範囲を超える為?)
ご参考まで。


追記2:
個人練習、合奏中も、常時チューナーを用いて
全ての音程を平均律で合わせられる様に、腕を磨いて下さい。

[初心者] 1.0秒以内に ±20cent
[中級者] 0.5秒以内に ±10cent
[上級者] 0.1秒以内に ± 1cent

それができる様になった段階で、
より精度の高い「耳」で合わせる事が必要だと考えています。



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