サックス 耳コピ 音楽表現 ロングトーン

サックス コラム

20. 耳コピ

想像力

ある程度、譜面が読める様になって、
余裕が感じられる様になったら
譜面の裏側を読み取る力、
いわゆる「音楽表現」を深める訳ですが。

独学で腕を磨いて来た方の演奏を聴くと、
テクニックは素晴らしいのですが。
・全体の雰囲気や 前後関係から、どんな音を使うのか?
・表現記号を、どう言う意図で読み取っているか?
・文字情報や 疑似体験ではなく。実体験の感覚なのだろうか?

…と、「想像力と情報量」が不足しているなと感じる事が多いです。


想像力

例えば、多くの方が、
f(フォルテ)= 大きく
p(ピアノ)= 小さく
と音量の解釈をされるのですが。

音楽の表現は、
「音量 + α」として、何を感じるか?
と言う部分に面白さがあります。

例えば、f(フォルテ)でしたら、

 「力強さ」「広がり」「壮大さ」「喜び」
 「重さ」「堅さ」「怒り」「痛み」
 「辛さ」「叫び」「自信」 … etc.

そのフレーズや状況に合った「想像力と感受性」次第で
表現の選択肢の幅は、いくらでも広がるハズです。

よく、音楽の授業や 吹奏楽 …等で、
「歌って」と子供達に指導する様ですが。
「歌わない」のではなく、「歌えない」のです。
特に「想像力、感受性、経験」が不足している場合に、難しい様です。


…そこで、私がオススメするのは
耳コピ」です。

ジャズで言う「耳コピ」は、
アドリブのフレーズを真似て、キーを替えて練習し
自分のフレーズとして身につける過程ですが。

クラシック サックス の 耳コピは、(ロックも同様です)
音源と一緒にフレーズを演奏する事で

 ・ アーティスト特有の癖
 ・ 感情の高ぶり
 ・ 精神状態
 ・ 音の扱い方
 ・ リズムの取り方
 ・ 音色 & 響き
 ・ 微妙な音程感(平均率、純正律 でなく)
 ・ 呼吸
 ・ 間 … etc

表現力を吸収する為の、「耳コピ」を行います。
いわゆるモノマネですね。

絵画で言う所の、「模写」にあたると考えています。
目標の真似をして、近づこうとする過程で、
製作者の意図を知り、自分の物にする技術です。

私の教室では、以前より ロングトーン禁止 とさせて頂いています。
なぜなら、目標とする音が無い状態で
ただ音を延ばすだけでは、音が良くなるとは思えないからです。

※ ロングトーンを否定しているのではありません。
  もし 無音の状態から、楽器や歌声の音色、微妙な変化
  (時代や国籍、演奏者、指揮者、演奏会場も含めて)
  音を想像出来る人なら、効果があると思いますが…。
  そう言う人は、滅多にいないと思います。

私自身、
「意味の無い音は、ただの雑音や!」(関西弁)
 …と、師匠によく言われたものです。

ですが、音源と一緒に演奏する「耳コピ」なら
音を模索しながらの練習ですので。その効果は、徐々に現れて来ます。
非常にゆっくりとした、易し過ぎるメロディーが、素材として最適です。


今は、CD や YouTubeで音楽が溢れる時代ですが。
逆に情報が多すぎて、何が素晴らしい音楽なのか 分かりにくいですが。
出来るだけ、情報量の多い演奏を真似て欲しいと思います。
(有名プレイヤーでも、名演と言うのは数少ないです。素材選びは慎重に♪
 白黒映像や、巨匠と呼ばれるバイオリン、チェロ、ピアノがお薦め。)

私の教室では、皆さんにこの曲をコピーして頂いています。
(↓無くなるかも知れませんので。早い目にダウンロードした方が良いかも知れません。)

■ アルト|テナー用

■ ソプラノ 用

1〜2ヶ月でマスター出来る様な物ではありません。
2〜5年、長い時間を掛けて熟成させて下さい。
(バリトン用の素材は、現在探し中です。)

楽譜も無料で提供しますので。 上達のお役に立てて下さい/

アルト用(白鳥)

テナー用(白鳥)

ソプラノ用(3つのロマンスより 1楽章)


例えば、白鳥(The Swan)を冒頭からを文章にすると…。


語りの柔らかな口調から、
水面の様に静かで、遠くに感じるピアノに音を託されて…。

擦れるか、擦れないかギリギリの音を狙った
わずかな緊張感を伴った、チェロの音から、氷を滑る様にスッと始まり。

1音、1音、出だしの音の響きを確かめる様に、
大事にビブラートをかけながら演奏します。
フレーズが進むにつれて次第に減衰して…
A音を境に響きを持ち直して、迷い無く言い切る様に。
自信を持ったまま、次のフレーズへと繋いで行きます。
ビブラートで、音の終わりを ぼかしながら自然に呼吸するかの様に。

しかも、
男性的な優しさと、おおらかさを持った、エレガントな音色で。
変に格好をつけずに、紳士的な表情で。
さらっと「粋」に。(0:54まで)


と言う風に、たった10秒でも 文章にすれば長くなりますので。
後は、自分自身で掘り下げて下さい♪ 
文章よりも、一緒に演奏する方が分かりやすいと思います。
「百聞は一見に如かず」です。

音楽の模写である「耳コピ」
どれだけ感じ取る事が出来るかが、表現力の差に繋がります。
頑張って下さい/



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