サックス コラム

サックス コラム

18. 呼吸法

私の呼吸法を、ご紹介します。
声楽の呼吸法をベースに(古い文献ですが)
自分なりに体得したモノを、文章にまとめました。

[手順]
(1)胸式呼吸    (体内部での共鳴、呼吸の予備タンク)
(2)腹式呼吸  (胸式呼吸→腹式呼吸へ、連動して行います。)
   ・上部腹式呼吸 (主に、速い息を必要とする場合)
   ・下部腹式呼吸 (主に、遅い息を必要とする場合)
(3)背式呼吸    (胸式呼吸+腹式呼吸 の後、上体を前傾。)

…の順で息を吸います。


(1)胸式呼吸

[息を吸う時]

まず、息を吐ききれるだけ吐いてみましょう。
上体を少し前傾させながら吐くと、肋骨の隙間がなくなり
肺の空気が「0(ゼロ)」の状態になります。

そこから、
体を起こして正面を向いて下さい。
息を吸うまでもなく、自然に入って来ます。
コレが、「胸式呼吸」です。
慣れれば、もう少し息を吸い込んで肺を拡げる事も可能です。

[息を吐く時]

通常の演奏時は、胸式呼吸で息を吐く事はありません。
どちらかと言えば、常に肋骨を開いて
体内部の、共鳴胴(※1)としての役割が大きいです。

しかし、長いフレーズでどうしても息が足りなくなった場合、
上体を前傾させ、肋骨の筋肉を絞り、息を吐く事も可能です。
息に力強さは ありません。かすれた様な音になります。

(※1)口笛は、吹いても、吸っても音が鳴りますので。
息の流れる方向とは関係なく、音は全方位に広がる事が分かります。

マウスピースで発生した音は、
楽器からベルを通って、客席へと広がりますが。
逆に、体内部にも広がって行きます。
これが、奏者固有の響きとなる訳です。
(人間の声が、千差万別なのと同じ事です。)

[追伸]:
楽器演奏者や歌手が、ステージに立っただけで
いい音がするかどうか分かるのは、
演奏前に、胸式呼吸の準備が整っているからです。


(2)腹式呼吸

(A)上部腹式呼吸 (へその上あたりが、前方向へ広がる)
(B)下部腹式呼吸 (へその下あたりが、斜め下方向へ広がる)

誤解されやすい様ですが、
腹が膨らめば腹式呼吸が出来ていると言う訳ではありません。
息を吐きながら、腹を膨らませてみましょう。
コレは、腹筋の力で腹を動かしている状態です。
楽器演奏には不要な力です。
…腹芸には、必要かも(笑)

では、腹式呼吸の手順です。
胸式呼吸で肋骨が十分に張り出した状態から。
息を吸い込み、肋骨の下部が広がるのを感じて下さい。
さらに息を吸い続けると、胸式呼吸と連動して
腹式呼吸へと繋がります。

(A)上部腹式呼吸

[息を吸う時]

臍下丹田(いわゆる、ギャランドゥー)の位置にある 筋肉を硬直させる事で
脱力している、へその上に横隔膜が広がっていきます。
筋トレで鍛える、腹筋を用いて息を押し出す(コントロールする)事も出来るので。
力強い、早い息を得意とします。

声楽では、主にソプラノ|テノールで用いられます。
サックスの場合は、
ソプラノ|アルト、フラジオ、フラッター等で用いると相性が良いでしょう。

[息を吐く時]

筋トレで使う、腹直筋を使って息を押し出す事も可能ですが。
通常は、力は殆ど使いません。(主に、アクセント、フラジオ等で使います。)
力を制御して、ゆるやかに、長く息を吐くかが、ポイントです。
自然な収縮に身を任せましょう。

息の量が減って来たら、筋トレの腹筋を使って
最後まで絞り出して下さい。
腹式呼吸で腹筋が必要になるは、この時です/

(B)下部腹式呼吸

[息を吸う時]

筋トレで使う腹筋(腹直筋の上部)を少し緊張させる事で、
力の緩やかな、へそ下へ吸い込んだ空気が流れ込みます。
深呼吸の多くがこちらの腹式呼吸です。

ゆったりとした、低速の呼吸を得意とするので。
声楽では、アルト、バリトン、バス等で用いられる事が多い様です。
サックスでは、テナー、バリトン、ppの低音、声を張らない深い高音 …等
が向いていると思います。

[息を吐く時]

基本的には、下腹部の緊張感を保ちつつ
自然な収縮に身を任せれば良いのですが。
少し、力が必要な時や、
腹式呼吸の空気が減って来た場合には、
腹斜筋を用いて、空気の圧力を高める事が出来ます。

空手で、板や瓦を割る時の「はあぁ〜」
の呼吸法も、この呼吸に近いと思います。

(3)背式呼吸

[息を吸う時]

胸式呼吸+腹式呼吸 の後
わずかに状態を前傾させる事により、
背中側の、下から2〜3本の肋骨を広げる事が可能です。
息圧のコントロールが難しい為、f、ff 時の使用が主。
体内部の容積が最も広がるので、強い響きが得られます。(一瞬ではありますが)

[息を吐く時]

上体を起こして、正面を向けば自然と息が吐き出されます。
それと連動して腹式呼吸が始まるので、
余分な力を加えない様に制御しましょう。


と、色々書きましたが。
楽器演奏の呼吸法に関しては、息を吸う事が最終目標では無く
「安定して、必要な量、スピードの息を吐けるか」と言うのが
最重要だと考えています。

「音量」「フレーズの長さ」「音域」によって
必要な息の量、パワーは異なります。
ppの「♪」1つを演奏する時に、120%の息を吸うことは、不自然ですよね。

リードの振動をエンジンと例えるなら…
息はガソリン。
大きな力が必要な時は、それ相応の「量」「強さ」が必要ですが。
小さな力が必要な時は、必要十分な量を、繊細に供給する。
そう言った、息の吸い方、吐き方を工夫が必要では無いでしょうか?


吹奏楽分野での、
 たくさん息を吸って
 たくさん息を吐けば、良い音がする
という考え方に、疑問を持ったので。 文章にまとめてみました。

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