サックス 教室 楽譜 大阪 堺|Sax Artist uzu

12 楽器レビュー

「メーカー、型番」の組み合わせで
数多くの種類の、サックスが販売されていますが。

例えば…
同じ値段で、自分の欲しいモノ
「 服 | 食事 | 電化製品 | 旅行 」
と比べてみて下さい。

楽器を購入する事は、
それと同等の(それ以上の)
モチベーションが得られますか?
私が、「買い」だと思う楽器は、そういう楽器です。
高いとか、安いとかそう言う問題ではありません。


結論を最初に述べますが。
私の 推奨楽器は、次の2種類です。

■ アンティグア スタンダード(約¥10万)

■ Selmer Serie 2 Jubilee ラッカー(約¥50万)


初めて購入される方は、勿論。
今まで、選定品を使った事が無い方も
是非、「選定品」の使用をお薦め致します。

可能性の高い楽器ほど、
演奏者の上達を妨げる事なく
練習に、取り組む事が出来ます。

あと、選定された方が、
何を基準にその楽器を選んだかを知る事が出来ますので。
楽器自身から教わる事も多いです。

私自身、師匠の選定品を使う事で
成長したと感じていますので。
皆さんにも お薦めしたいです。


■(入門)¥10万前後 の サックス

■(中級)¥20〜30万 の サックス

■(上級)¥40万以上 の サックス


[入門クラス]¥10万前後 の サックス

入門用クラスと言われますが、
初めての方には、¥10万すら 敷居が高いですよね。
工夫次第で、まだコストを下げられる様な気もします。

例えば、
・楽器の材質の見直し
・余分な装飾や、彫刻の廃止
・マウスピースや リード …等の付属品も不要です。(笑)

でも、きちんと選べば
上級機種に負けないクォリティーの楽器も存在します。
決して、「安い=悪い」と言う訳では無いんですよ/

個人的には、¥20万の楽器を買うなら
[アルト|テナー]
[アルト|ソプラノ]の2本所有も
1つの選択肢かと思います。

「Vibrato Sax / A1S SERIES3」

プラスチック(ポリカーボネート)
のサックスです。
熱や水にも強そうなので、
スペア用に車内に置いて置きたいと
出始めた当初から、注目しています。

■[A1(生産中止)]
ポリカーボネイト+ABS樹脂 仕様。
消音機を使用した様な、響きを抑えた音色、音量です。

■[A1S Serie1,2]
ポリカーボネイト製
20世紀前半の ビンテージ楽器を彷彿とさせる
素朴な音色が、素晴らしい楽器です。

ただ…
どちらも、高音域 サイドキーの音程が非常に低くて
実用的とは言えませんでした。

■「A1S SERIES3」
新発売という事で、試奏しましたが。
音色は、現代の楽器に近い物になっていました。( '80 シリーズ1相当)

サイドキーの音程面は修正されていましたが。
左手ソ〜ドの音程が、高かったり、低かったり バラバラで。
まだ、改良の余地はあると思います。
(※ テスター次第で、良くなると思います。)

あと、パッドがシリコン製なので。
きっちりと塞ぐ為には、
キータッチを強い目に握らないと、音程が変わりません。
通常のサックスだと、タンポが破れてしまいそうな握力です(笑)


音程が良くなれば、音色は許容範囲だと思います。
(個人的には、旧シリーズのビンテージな音色は好きですけど。)
おもちゃのサックスと言う意識を捨て
本腰を入れて開発すれば、可能性のあるジャンルだと思います。

軽さが「売り」の製品ですので。
是非とも、バリトン、コントラバスを、ABS樹脂で作って欲しい…。
と、タイの社長さんにメールしておきました(笑)
現在、ソプラノサックスを開発中との事です。

「YAMAHA YAS-280, YTS-380」

YAS-280 YTS-380

柔らかく、音色を まとめやすい
という事を形容する
「YAMAHA サウンド」と言う
言葉がある様に、
ブランド独自の音色を持った楽器です。

中音域のサックスらしい音色に、的を絞っているので。
初心者でも周囲と馴染みやすい反面
個性的・多彩な音を追求したい人には
物足りない部分があるかも知れません。


上位機種に比べると、
アジア諸国(インドネシア)系の
少し ギラギラする
高音域の癖が感じられますが。

音色コントロールの技術向上や
音色を まとめやすい マウスピース
(例:セルマーC☆)
との組み合わせで、改善します。


キー配列が 子供でも大丈夫な様に
小型設計と言う点は、特徴的で。
好評価です。

音とは、関係ありませんが。
楽器店の殆どがヤマハ系列ですので。
修理を依頼しやすいのも、利点です。

「Antigua」スタンダード ***[お薦めNo.1]***

アンティグア スタンダード アルトサクソフォン Antigua Alto アンティグア スタンダード テナーサクソフォン Antigua Tenor

YAMAHAの低価格帯と同様、
高音域が、少しギラつきますが。
輪郭のハッキリした立体感のある音が得られます。
「見た目」だけでなく「音」も
セルマーを意識して作られているな
と言う、意図が感じられます。

アメリカ系のごつごつしたキー配列(左手サイドキー)
と 耐久性は気になりますが。
この値段で、良くここまで出来たと言う感じです。
セルマーの「'80 シリーズ1」を模倣しているとも言われ、完成度が高いです。

物が良ければ、
1回位は、オーバーホールしても良いと思いますが。
その値段で、新品が買えるので。
選択を迷う所ではあります(笑)
(6〜15年は、使えると思います♪)


関西圏では、取り扱いが少ないので。
(圧倒的に、ヤマハ市場が優勢)
 ・選定に、数多くの本数を試せない
 ・急な修理を依頼したい
という点では、苦労しています。
(関東、九州エリアは、セルマー系修理店があるので。問題ありません。)


ネックを 金メッキにしたモデルは、
非常に良かったのですが。現在は、 生産中止。
再販売を、強く願います/


修理は、セルマー系の店(ノナカ・ミュージックハウス)
に出して頂ければ、セルマーの音を維持出来ます。
郵送修理も可能です。


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[中級]¥20〜30万前後 の サックス

最近では、低価格帯のクォリティーが上がって来たので
「この価格帯で無いと 使えない」という印象は無くなりつつあります。

¥10万前後 の楽器と、どう差別化するかが今後問われるでしょう。
上位機種のネックと互換性がある場合が多いので。
上手く組み合わせれば、上位機種と同等の音で、安く抑える事も可能です。

「YAMAHA YAS-62, YTS-62」

比較的 本数も多く、在庫が安定しているので。
「スグにでも楽器が欲しい」 & 「YAMAHAの音が好き」
と言う方に、選定する機会の多い楽器です。
楽器店では、この楽器をオススメされる事も多い様です。

YAMAHAサウンド特有の、中音域を重視した楽器です。
YAS-280に比べて、高音域の癖が改善しています。
音が まとまりやすく
柔らかい音色を好む、吹奏楽では
馴染みやすいのでは無いでしょうか?

その反面、シャープな音色が必要な
吹奏楽やビックバンドの「ソロ」
ロックやフュージョン、ピアノ伴奏でのソロ演奏
…と言った場面では、音が埋もれがちなので注意が必要です。
頑張りすぎると、音色が犠牲になってしまいますので。
可能なら、マイクを使いましょう/

楽器店の殆どが、ヤマハ系なので
安定した修理サービスを受けやすいのも、利点です。


「YAMAHA YAS-82Z, YTS-82Z」

YAMAHA YTS-82Z YAMAHA YTS-82Z

ジャズ系の楽器と言う事で、発表されましたが。
クラシック上位機種、875EXと比べて
比較的、軽めの楽器が多いので。素直な鳴りが好印象です。
個人的には、ヤマハの中では 最も好きです。

YAMAHAサウンドと言うよりは、
マークVIを意識したサウンド作りが感じられます。
(ヤマハの原点はココからですし。)
現代の楽器の様に、
大音量でも埋もれない音質重視の楽器とは違い、
アコースティックな楽器同士で
アンサンブルを楽しむのに、適していると思います。

少し 中低音が充実して欲しいですが。
一般的なサックスに求められる音色が
この楽器には、揃っていると思います。

最上級のコンデンサーマイク よりも
使い勝手の良い、ダイナミックマイクの様な「サックス」です。
サブの楽器として使っている方も多いです。

「Yanagisawa A901, A902, T901, T902」(廃盤)

Yanagisawa A-901II Yanagisawa A-902 Yanagisawa T-901II Yanagisawa T-902

日本人に好みの、「柔らかい/優しい」音色を持っています。
上品で 女性的な印象の楽器です。
他メーカーに比べて 金属が厚く
少し細めの管で、繊細な音がする楽器が多いです。

個体差で、ごく稀に 太いサウンドの楽器もあります。(*コレは 買い!)
おそらく、金属かラッカーが 僅かに薄いと思われます。
ブロンズ仕様になると、金属特性の為に 中低音域が少し充実します。

あとヤナギサワは、精密機械としての 精度が高い様で。
修理技術者の評価は、高い傾向です。
運搬による故障とか、使用に伴う歪みが少ないのでしょう。
長く使えると言う意味では、学校備品にも最適では無いでしょうか?


「Yanagisawa AWO1, AWO2, TWO1, TWO2」

旧901, 902 の、学生モデルから
ライト仕様と言う位置付けに変更されました。

個人的には、軽い楽器が好きなので、好印象です。
軽い分、楽器の個性が強く出るので。
旧ヤナギサワと、クランポンのS1を足して、2で割った様な
今までと違う、ヤナギサワの音色に好みが分かれる様に感じます。

旧製品と同様、精密機械としての 精度が高い様で。
修理技術者の評価が、高い傾向です。
運搬による故障とか、使用に伴う歪みが少ないのでしょう。
長く使えると言う意味で、学校備品にも最適では無いでしょうか?


セルマー:アルトサックス アクソス ラッカー仕上げ

年々、楽器が高騰して行く中で
余分な機能を省いて、機械化し、
コストを抑えようと言う、方向性に
非常に共感致しました。
(欲を言えば、彫刻も省略して欲しいですが。)

ボディーは、シリーズ2に近く
ネックは、シリーズ3に近い仕様 (?)
との事です。

シリーズ2のネックに変更すれば
シリーズ2らしい音色に変化します。(別売り)
※ プロに選定をご依頼下さい。

[オリジナルネック]
セルマーらしい音色ですが。
シリーズ3より、線の細い印象です。

今までのセルマーと違って、
音程のツボがありません。
(正しい音程で、ピントが合う感覚)
微分音やグリッサンドを使う現代では
逆に制約になるのかも知れませんね。

高音域に行くに従って、繊細な音になります。(ハスキー)
サイドキーの音程が上擦る傾向に感じました。

[シリーズ2ネック(別売り)]
オリジナルネック同様、
高音域は 細い印象で。音程のツボは感じられませんが。
音色は、シリーズ2です。(特に中低音域)

サイドキーの音程は、低い傾向ですが
許容範囲内だと思います。

あと¥10万出せば、シリーズ2に手が届く価格設定です。
ジュービリー シリーズ2の方が
コストパフォーマンスが良いと思いますが。
今後のマイナーチェンジ次第で、変わる可能性は感じます。(2015/08)


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[上級]¥40万以上 の サックス

このクラスになると、個性のぶつかり合いになりますから。
自分が良いと思えば、
誰に何と言われようが、良い!
と、言える位
[ 自信のある人 | 我の強い人 ]
でないと。あれも良い、これも良いと、路頭に迷いますので。ご注意を。

自分にとって
最高の、1本と出会えますように/

YAMAHA YAS-875EX, YTS-875EX

旧モデルの 875は、
重たく/ザラつきがある印象でした。
ある意味、セルマーのマーク6を
良く研究しているなと思います。
特に、YAS-855[廃盤]は素晴らしかったです。
(今のZシリーズに近いです)

EXシリーズになってから、
随分、音抜けが良くなりました。
ヤマハサウンドを継承しつつも、
音質が良くなりました。(特に高音域)

「ヤマハサウンド」
サックスらしい音とも言えますが。
中音域主体の柔らかい音色です。


Yanagisawa ヤナギサワ WO-10, WO-20,WO-37

WOシリーズになって、
旧ヤナギサワと、クランポンのS1を足して、2で割った様な
今までと違う、艶っぽい音色に好みが分かれる様に感じます。

銀素材のモデルは、素材自体が
きらびやかな音色で(高音域を強調)
低音域を抑える 音色傾向ですので。
ソプラノサックス には最適かと思います。

最上位機種の「WO-37PGP」(アルト)に関しては、
音にしっとりとした 質感があり
レスポンスの早い点が Good.
メッキが、振動しやすくなるのでしょうか?

価格に見合った価値かどうかは、人によって違うと思いますが。
私なら、ラッカーの楽器2本を選択します。


「Selmer SA80 Serie 2 Jubilie」***[お薦めNo.2]***

今の所、イチ押しの機種です。
楽器に 理想の音色を求めるのでは無く
(柔らかい、明るい、ダーク、艶っぽい、…etc.)
無色で、個性の無い楽器です。
逆に、イメージや セッティング次第で
自分の音色を自由に作れる楽器です/

今から約40年前に開発され、
クラシック、ジャズ、ポップ…
様々なジャンルの声を反映しながら
現在の形に成長して来た楽器です。

基本的に、銘器と呼ばれる楽器
(バイオリン、ギター、ピアノ…)は
特定のジャンルなど選びません。
この楽器は、長年に渡って多くのジャンルで支持されて来た事からも
銘記の素質があると思います。

ジュビリーになってから
ネック部分のオクターブのガイドが無くなりましたので。
マウスピースをネックに差す時に
初心者の方は、曲げてしまう恐れがあります。
扱いのデリケートな部分ですので。
修理の方か、専門家に取り扱いを確認して下さい。

扱い方の難しさや 金額的な問題から、
初心者や中高生には、薦めにくい楽器ですが。
本格的に極めたい方には、是非 お薦め致したい楽器です。


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