サックス 教室 楽譜 大阪 堺|Sax Artist uzu

08 楽器購入( 楽器の選定 )

概要

セルマー シリーズ2 アルト

楽器は、一見 同じ様に見えますが
・製造メーカー/型番
・材質
・表面仕上げ(メッキ、サテン加工)
の違いで、1本1本 音に差が出ます。

さらに細かく、
・全く同じ メーカー/型番 の楽器
・楽器管理の状態
・修理状況(*中古)
でも違いがある為、試奏が必要です。


楽器の善し悪しは、人によって異なります。

「明るい楽器」を良いとする人や
「暗い楽器」を好む方もいます。

「重い楽器」を良いとする人や
「軽い楽器」を好む方もいます。

私の場合は、
どちらが良いと言う訳ではなく
多様な変化に対応できるかと言う点を意識して
楽器選び(選定)を行いますので。
柔軟で、可能性の広い楽器を選ぶ様にしています。

選定する時にチェックする要素の例

1.音質| 音の解像度 / 音の多様性(周波数特性) …

ギラギラする音や(明るいとは別)
どう演奏しても音が暗い。
ノイズ成分が取り除けない。
低音の迫力に欠ける。

といった楽器は、避けましょう。
色んな音が出せる楽器が理想的です。
(スタンダードなマウスピースでの試奏を推奨)

2.音色・音量 明るさ / 柔らかさ / 太さ …

「リード」や「マウスピース」「演奏方法」を工夫する事で。
「明るい→暗い」
「軽い→重い」
と、音や吹奏感を変化させる事は簡単ですが。

逆に、
「暗い→明るい」
「重い→軽い」
は容易ではありません。(というか、出来ません。)

ビンテージの楽器や、
個性派の音色も魅力的ですので。
色んな答えがあると思いますが。
基準の1つとして、柔軟な楽器をお薦め致します。

3.吹奏感 レスポンス / 深み / 遠達性 / 艶 / 音程のツボ

軽い楽器は、反応が早く、立体的な響きが作れますが。
精度が悪いと、均一に鳴らなかったり
そば鳴りや、共振が起きる様です。
自由度が高い反面。
音色、音量のコントロールが難しいです。

重い楽器は、立ち上がりの反応が鈍く
サスティン(余韻)が長くなる傾向にある様です。
暗い音色の物が多いかも知れません。
クラシック系のプレイヤーに好まれる傾向です。

音程のツボと言われる、
正確な音程を演奏した時に
ピントが合う感覚を得られるメーカー
(セルマー|ヤナギサワ|Antigua)と
音程のツボを持たないメーカー(ヤマハ)があります。
どちらにもメリットがあります。選ぶ際のポイントの1つです。

4.手触り キー配列

慣れで何とかなる場合も多いですが。
持ち替えが必要な場合や、手の小さい人には重要です。
国産の楽器は、手の小さな方でも扱いやすい様に配慮されていますが。
逆に、手の大きな方には小さ過ぎる…と感じる場合もある様です。

他に、
「キーの高さにバラツキがある」(大型楽器に多い)
「 サイドキー|High F#」の「位置・角度」も
微妙な操作性の違いを生みます。

5.その他 音程 / タンポの状態

有名ブランドで、音程の悪い楽器は、基本的には無いと思いますが。
(楽器の調整不足や、演奏者の技量不足 を除きます)
古い楽器や 安い楽器の中には、音程に癖のある楽器もあります。
2本目の楽器としては、良いですが。
初めての楽器として使うのには、お薦めしません。

長い間使っていなかった中古品や、店頭に飾られていた楽器の中には、
管理不足の為に、タンポ(穴を塞ぐ為の皮)が劣化している事もあります。

各メーカーの傾向

ヤマハ

selmer

ソロ楽器としても用いられますが。
周囲に溶け込みやすい、中音域主体の音色を 得意とします。
価格帯も幅広く取り揃えており、
初心者〜上級者まで、楽に扱える物が多いです。

ヤナギサワ

selmer

日本人好みの艶っぽさ と 輪郭が感じられる音色。
丈夫さ、精度の高さに、定評があり
プレイヤーだけでなく、修理技術者にも好評です。(日本製)

個人的には、耐久性が高い為。
学校備品としてお薦めしたい ブランドです。

セルマー

selmer

サックスで、最も有名なブランド。
プロの使用率が 最も多いメーカーでは無いでしょうか?
特徴的な音色を持っていないので、自分の「音程|音色」を作る必要があります。
使いこなすには、訓練が必要です。


材質 | 表面仕上げ

ブラス(黄銅)

セルマー シリーズ2 アルト

黄銅(ブラス)は、銅 と亜鉛 の合金
サックスは、イエローブラス(亜鉛が30%前後)
が用いられる場合が多いです。
5円玉を想像して頂ければ、分かりやすいかも知れません。

音色は、明るく、軽いのが特徴。
中音域から高音域を得意とします。
価格的には、最も安い物〜高級機種まで広く使われています。

ブロンズ

YANAGISAWA A-WO20

青銅(ブロンズ)は、
銅 を主成分とした、スズや亜鉛を含む合金です。
10円玉を想像して頂ければ、分かりやすいかも知れません。

ブラスに比べ やや音の重心が低く、
中低音域から高音域を得意とします。
ヤナギサワの製品の一部に、この金属が用いられています。

スターリングシルバー

Yanagisawa / A-WO37 ヤナギサワ アルトサックス ダブルオーシリーズ スターリングシルバー製 ラッカー仕上 ヘヴィーウェイト

銀92.5% 銅、他 7.5% の合金。
銀製のフルートも、同様の金属を用いる事が多い様です。

音色は、非常に明るく、鋭くきらびやかな印象。
反面、低音域を抑える音色傾向です。
個人的には、ソプラノ向きの素材だと思います。
ヤナギサワに比べて、セルマーの方が、金属が薄い様です。

黒ラッカー | アンティーク ゴールドラッカー

ラッカーと表記されますが、
実際は、エナメル塗装です。(例外が あるかも知れません)
高音域、中低音域が、抑えられ
中音域にポイントを絞った音色です。

見た目の印象は、大きいですが。
音色は、落ち着いた 地味で柔らかい傾向です。

銀メッキ

高音域を抑え、落ち着いた音色。
輪郭はハッキリしています。
表面が金属な分、
レスポンスの良い楽器が多い印象。

表面が黒く酸化しますが、
あえて磨かなくても、格好良いと思います。

金メッキ

素材に直接のせる 金メッキと、
銀の上に金をのせる方法があります。

ピンクゴールド(金75%、銅 約20%、その他)
も最近は良く見かけます。

高音域を少し抑え、中低域が充実。
若干、吹奏感は重ためです。

ネックだけ金メッキの(GPトーン)も
全体の音質に影響を与える為
コストパフォーマンスが高いです。

ノーラッカー

アルトサックス】YAS-82ZUL

表面加工をしない、素材そのままの仕様。
通常のラッカーより軽い分、
音色・反応の良さ が得られます。
素材の特徴をを生かした表面仕上げだと思います。

ヤマハのジャズモデルの一部に採用。
耐久性に問題が無ければ、是非試したい素材です。

補足01  -選定品-

楽器店には、プロの演奏家が選んだ「選定品」も あります。
その演奏家の方にとって、良い楽器なのですが
特に「初心者/女性/年配の方」には、体力的に難しい場合もあるので。
選定品であっても、ご購入の際には 試奏をお薦め致します。

補足02  -別売りネック-

吹き比べる程、楽器の在庫がある店は稀ですので。
「別売り ネック」との組み合わせも、視野に入れています。

しかし、ネックの選定は、
プロでも難しい 選定方法です。
別の楽器の様に、良くも、悪くもなります。
「メッキや金属で変わる変化」より
「楽器本体とネックの相性」の方が、変化が大きいです。
必ず同じメーカーの物で、組み合わせます。


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